リーフボールとは
リーフボールはアメリカの
リーフボール財団が開発した
コンクリートブロックで
砂浜の海岸侵食防止や、
サンゴ礁再生の基台として
世界で活用されている
人工礁です。
磯焼け※の解消、水産資源の再生事業でも利用されています。
※海藻が繁茂していた海の近くで、急激に海藻が減少し、海藻がほとんど生えなくなる現象
日本の磯焼けと
海の砂漠化の現状
全国の藻場面積は、20年間で20万ヘクタールから10万ヘクタールに減少しています。また、大気中のCO2 の増加による酸性化が養殖かき、真珠養殖のアコヤ貝を死滅させています。
そして、水溶性フルボ酸鉄の不足が磯焼けとなり、石灰藻が付着し、ついには、海の砂漠化となっていきます。日本の沿岸海域は、地球温暖化と海洋酸性化の環境問題に加えて、 海藻類の成長に不可欠な水溶性フルボ酸鉄の不足とコンクリート構造物から溶出されるアルカリ性成分等により、海藻類が消滅する磯焼けを起こし、石灰藻の増殖が海の砂漠化を拡大する危機的な状況にあります。
磯焼けと海の砂漠化を
克服するリーフボール藻礁
リーフボールは米国で開発され、すでに世界 75 ヶ国で設置の実績があり、珊瑚礁増殖礁・漁礁・侵食防止・波除け等として利用されています。
そのリーフボールをベースにして、 私たちは、 深刻な磯焼け・沿岸海底の砂漠化拡大を防ぐ、 画期的な藻礁育成技術と製造工法を開発 (世界許取得※)。2019年から実証実験を始め、 新たな海藻類増殖礁開発にも成功しています。
波を止め、砂の浸食をとめる
リーフボール藻礁の高い安定性
構造物内部を波や流れが通過する際、 揚力を防ぎ下向きの流体力が働くことで構造物を押さえる力が作用し安定を保ちます。
また、表面に空いている穴の径が内側と外側で異なり、 通過する際に渦を発生させ、 栄養を湧昇させる働きを兼ねている。これは多くの実験と論文があり、パテントの一つとなっています。
講演「リーフボールによる藻場造成」(㈱朝日テック 池田 修 氏)
リーフボールの
7つの特徴
磯焼けを克服するためには、さまざまな課題があると言われています。それらの課題をリーフボール藻礁はクリアしています。
①砂地に安定して
設置できる
藻場が形成される海底面のうち、8割程度は砂や泥。その砂地にリーフボール藻礁は安定して設置できるため、広大な藻場造成が可能。
②高強度な基台
リーフボールは波浪に強く、大型の藻類が成長できる。耐久年数は約300年。圧縮テスト強度32.2N/mm2(長崎県建設技術センター)
③藻類が着生しやすい
表面粗度
特殊な製造工程により、表面の粗度が高い。そのため、藻類の胞子が着生しやすい。
④藻類にも
環境にも優しい
水酸化カルシウムイオンの溶出を抑制しているため、藻類の生育を阻害しない。PH8前後と海水と同じ程度に抑制しているため環境に優しい基台。
⑤海藻類の増殖・成長
により磯焼けを克服
水溶性フルボ酸鉄と必須微量栄養塩の長期間供給可能(10年) 海藻類生体機能活性材 (SBA) により光合成の促進
⑥石灰藻の増殖防止に
より海の砂漠化克服
リーフボール藻礁は石灰藻(無節サンゴモ)の着床を防止する。
⑦海藻牧場-天然養殖場
のモデル開発が
進められる
防食ネットを基台に設置し、 イスズミ バリなどの植食動物による食害を防ぐとともに、海藻を一帯に育てるエリア「海藻牧場 天然養殖場」 を構築することができる。
新たな価値創造「漁業×観光」
リーフボール藻礁を活用した
海藻牧場
漁獲量の減少と共に、 漁業者の就業者も比例して減少し、使用されなくなった港湾が増加しています。
私たちは使用されなくなった港湾を利活用し、海藻牧場としての活用を検討しています。
海藻牧場ができることで、核藻場としての役割や、湾内でのアワビ、サザエ、ウニ、 ナマコ、 根魚など管理下での生産が期待できます。
持続可能な未来へ!
リーフボールのこれから。
子ども達に海の大切さを伝える。
リーフボール藻礁を通して、海藻の役割や成長の仕組みを知り、海に親しみ、海を守ることの大切さを学ぶことのできるワークショップや座学会を行っています。
風力発電施設と漁業協調
持続可能な再生エネルギーとして世界の沿岸海洋に設置が進む、 洋上風力発電施設とリーフボール藻礁を漁業協調することで、漁礁・藻礁を造成することが可能です。 (North Sea の実証写真)